嵩山工房(すせこうぼう)豊橋筆の歴史は?最高級筆が気になる!愛知県豊橋市【世界!ニッポン行きたい人応援団】

こんにちは、あさです。

 

テレビ東京 月曜プレミア8にて

『世界!ニッポン行きたい人応援団』が放送され、

愛知県豊橋市筆工房『筆の里 嵩山工房(すせこうぼう)』が紹介されました。

 

嵩山工房が作る豊橋筆は、江戸時代から200年以上の歴史があり、

墨含みが良く、すべるような書き味の、伝統工芸品です。

豊橋筆は、日本国内高級筆約7割のシェアを誇っています。

 

嵩山工房の代表は、伝統工芸士山崎亘弘さんで、

工房では筆の製作実演販売や、

筆づくりのワークショップもなさっているそうです。

 

筆の聖地 SUSE KOBO「伝統的工芸品 豊橋筆」20191212

 

今日は、そんな『筆の里 嵩山工房(すせこうぼう)』が作る豊橋筆の歴史や、

嵩山工房の最高級筆について、調べてみました!

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筆の里 嵩山工房(すせこうぼう)が作る豊橋筆の歴史は?

出典:kogeijapan.com

豊橋筆の歴史は、約200年前の1804年(文化元年)にさかのぼります。

 

三河吉田藩(豊橋藩)の藩主が、京都筆職人 鈴木甚左衛門を、

藩のために筆を作る御用筆匠として、招きました。

 

吉田城  出典:toyohashi-bihaku.jp

 

また吉田藩が財政難の折、下級武士の家では内職副業としてを作り、

土地も、山に囲まれており、筆の材料となるタヌキイタチも豊富で、

入手しやすかったため、筆づくりは発展していきました。

 

出典:city.toyohashi.lg.jp

 

明治に入ると、芳賀次郎吉が、従来の芯巻筆を改良して

水筆(現在の毛筆)の製法を広めました。

 

芳賀次郎吉の弟子、佐野重作は、

長さやかたさの異なる毛をまぜあわせる「練りまぜ」という技法を改良し、

14年間の修行ののちに、1878年(明治11年)に神明町で開業しました。

 

出典:youtube.com

 

重作の筆は、画家、渡辺小華にも愛され、徐々にその真価が認められます。

渡辺小華  出典:upload.wikimedia.org

出典:tobunken.go.jp

 

弟子が20人ほどになったころ、

豊橋に立ち寄った奈良の墨商人の助言に基づき、東京方面にも販路を開きました。

1888年(明治21年)には、豊橋駅完成も幸いし、より各地方との取引も盛んになっていきました。

 

豊橋駅 1988年(明治21年)  出典:blog.goo.ne.jp

 

1902年(明治35年)には、豊橋毛筆製造組合が創立されました。

 

1911年(明治44年)、重作は60歳で亡くなりましたが、生涯の間に

豊橋毛筆製造組合の組合員が150人余を数えるまでに業界は隆盛し、

今日の豊橋筆基礎が形作られました。

 

佐野重作の墓  出典:apec.aichi-c.ed.jp

 

豊橋筆は、1976年(昭和51年)

経済産業大臣の伝統的工芸品の指定を受けます。

 

出典:pinterest.jp

 

現在、筆の生産量は、国内では、広島県熊野町に次いで2位であり、

書道家が用いる高級筆においては、国内7割のシェアを占め、

年間180万本全国で販売されています。

 

山崎亘弘さん  出典:toyohashi-fude.com

 

嵩山工房の代表、山崎亘弘さんは、1942豊橋に生まれ

16歳ころから、筆づくりを親方の小川弘氏に師事され、

29歳ころ、自宅にて独立されます。

 

1994年、52歳頃、愛知県表彰優秀技能賞を受賞されます。

1996年、厳しい認定試験に合格し、伝統工芸士として認定されました。

1998年、『筆の里 嵩山工房』を開かれます。

 

出典:twitter.com

 

技術、功績を称えられ、数々の賞を受賞されています。

2004年 県知事賞受賞

2008年 中部経済産業局長賞受賞

2009年 功労賞(伝統的工芸品産業功労者等経済産業大臣表彰)

2013年 瑞宝単光賞叙勲

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最高級筆が気になる!

嵩山工房ホームページにて、販売している筆を見てみたところ、

以下の2点が、もっとも高級な筆かと思われました。

実際に店頭に行くと、さらにさまざまな筆がみられる可能性もありそうです。

上兼毛筆 4号(赤天尾) ¥7,000 (税込)

出典:toyohashi-fude.com

厳選された国産の赤天馬)を使用した、高級品です。

黒天尾より滑らかで、羊毛を使用しているため、墨の持ちが良いそうです。

 

サイズ:穂径×穂長(約5×0.8cm)

原料(穂):赤天尾(馬),羊毛

主な用途:半紙2文字から4文字

コリンスキーイタチ筆 6号(オス)¥7,000 (税込)

コリンスキーイタチ筆 6号(オス)

ハルピン産のコリンスキー(イタチ)の毛を使用しています。

毛の色も良く弾力があるそう。

 

サイズ:穂長×穂径(約3.9×0.6cm)

原料(穂):コリンスキーイタチ(オス)

主な用途:半紙8文字から12文字,仮名条幅

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まとめ

豊橋筆は、吉田藩下級武士家内制手工業を始めとし、

佐野重作などの職人により、さまざまな改良が加えられて、

徐々にその真価が全国に広まっていきました。

 

現在は、高級筆国内シェア7割となり、

伝統工芸品として、不動の地位を誇っています。

 

筆の穂首に使われる動物の毛は、1匹の動物から得られる毛はごく少なく、

職人の目と手だけで選り分けられており、

毛をある程度選別できるようになるまでに、5~6年かかるといわれています。

 

また、全部で36ある工程も、

現在もすべて手作業で行われています。

 

200年長い歴史と、職人さんのひとつひとつ心のこもった手作業に、

豊橋筆という伝統工芸品の重みを感じます。

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